留置権と質権
<留置権と質権にあるもの>
第296条
不可分性
留置権も質権も、債権の全部を弁済するまで、留置物の全部について行使できる。
第297条
果実の収取
留置物から生じる果実を利息、元本の順番で充当できる。
第298条
費用の償還
留置する際に生じたその物に対する費用を償還させる事ができる。
第300条
留置権、質権を行使していても、債権の消滅時効はいつか到来してしまう。(おそらくただ行使していてもダメで、請求したり何らかのアクションを起こさなければ時効が中断しないのだろう。)
<留置権と質権で異なるもの>
留置権の場合は占有を失うと消滅する。
質権は占有を失っても消滅しない。(第348条 責任転質)
留置権は債務を弁済しない場合でも留置物を処分できない。
質権は債務を弁済しない場合、質物を処分して、弁済に当てられる。(第354条 債務者にあらかじめ通知して、裁判所の許可を得なければならない。)(ただしあらかじめ当事者の契約で処分させることを決定できない。第349条)
留置権は物上代位を行使できない。
質権は物上代位を行使できる。
(物上代位:その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭等に対して行使できる。ただし、その払い渡し又は引渡し前に差し押さえなければならない。第304条)
<動産質と不動産質の違い>
動産質は質物を使用、収益できないが、不動産質はできる。
その代わり、不動産質に関しては、その物の管理費用を負担する必要があるし、利息を請求できない。
<不動産質と賃貸借の違い>
不動産質の存続期間は10年。
更新できるが、その時から10年の存続期間を超えられない。
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紛らわしいので注意!!
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賃貸借の存続期間は20年。
更新できるが、その時から20年の存続期間を超えられない。