問題7

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次の憲法の条文について一般に行われている説明として、妥当なものはどれか。

第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

1 「法律の定める手続」とあるので、条例によって刑罰その他についての手続を定めることは、許されていない。

解説
誤り。地方自治法第14条3項で「普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。」とあります。

2 日本国憲法は別に罪刑法定主義の条文をもっているので、本条においては、戦前にないがしろにされた刑事手続について、これを法律で定める事が要請されている。

解説
ものすごく微妙なニュアンスになっているので、正しいか、間違っているかよく分からない・・・消去法でこれは消されたが、どこが間違っているのか微妙。おそらく「日本国憲法は別に罪刑法定主義の条文を持っているので、」というところが違っているのかと思う。第39条も罪刑法定主義に関する条文だが、この第31条もまさに「罪刑法定主義」に関する条文であるので、間違っていると思う。

3 この条文は刑事手続を念頭においており、行政手続などの非刑事手続については、その趣旨が適用されることはない。

解説
成田新法事件
憲法第31条の規定は基本的には刑事手続を念頭においているが、行政手続においてもその全てに適用されないとは言い切れない、としています。よって誤り。

4 刑事手続については、ただ単にこれを法律で定めればよいと規定しているのではなく、その手続が適正なものであることを要求している。

解説
適正手続の一般的な考え方とされる。手続だけでなく、その内容も適正でなければならないという考え方。その内容が不合理であるのに、手続さえ適正であれば自由を奪われてしまう、となると憲法を規定した意味がない。よって正しい。

5 この条文は、ニューディール期のアメリカ連邦最高裁判所で猛威を振るった、手続的デュープロセス論を否定したものである。

解説
まさに、デュープロセス論の原則を表したものが憲法第31条の適正手続の保障の考え方である。よって誤り。

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