問題37(会社法 株式買取請求権)

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株式買取請求権に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。


ア 単元未満株式を有する者は、投下資本の回収を保証するため、いつでも会社に対して単元未満株式の買取りを請求できる。

解説
そのとおり。
会社法192条(単元未満株式の買取請求)
第1項
「単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。」
単元未満株式とは、平成13年以前は1単元未満の株式の取引はできなかったのですが、1単元が1000株の場合、500株でも株式を購入できるようになりました。
ただ、制限があり、通常、株主に認められている、議決権の行使ができません。更に、単元未満株式だけでは、証券市場での取引ができません。そのかわり、株式会社に対して、買取りを請求できます。


イ 議決権制限株式を発行する旨の定款変更決議に反対する株主は、株式買取請求権を行使することができる。

解説
誤り。
議決権制限株式を発行する旨の定款変更決議を行使しても、それに反対する株主は、株式買取請求ができない。
できそうな気もしますが・・・なぜでしょう?しかし下記の場合は、買取請求できます。
会社法第116条第1項

  • 株式譲渡制限・・・株式の譲渡制限ができるように定款変更(非公開会社など)すると、好きなときに投下資本の回収ができなくなってしまうので、反対する株主の利益保護を考えて、買取り請求できる。

  • 株式の取得・・・全部取得条項付種類株式などを置く定めをする定款変更する場合。これに反対する株主は買い取り請求ができる。株式会社に対して、良心的な株主であれば、「まあ、しょうがないか。会社危機の場合はいたしかたない。」と思ってがまんするのでしょうが、ただ単に、配当金目当ての株主には買取をして、退場してもらうということもできるそうです。

  • 種類株主の利益保護の為・・・株式の併合や分割、無償割り当て、単元株式数の定款変更、株式の募集、新株予約権無償割り当て、などにおいて、既存の種類株主が、損害を被る恐れがある場合、買取りが認められる。




  • ウ 株主総会決議に反対する株主が買取請求権を行使するには、原則として、その決議に先立ち反対の旨を会社に通知し、かつ、その総会において反対しなければならない。

    解説
    買取請求ができる反対株主とは、
    「当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主。」
    又は、
    当問題肢アの単元未満株主
    (会社法第116条第2項第1号)


    エ 株式の買取りを会社に対して請求した株主であっても、会社の承諾があれば、買取請求を撤回することができる。

    解説
    そのとおり。
    会社法第116条第6項
    会社の承諾は強いですね。


    オ 合併承認決議に反対する株主からの買取請求により支払った金額が分配可能額を超えた場合には、取締役はその超過額について責任を負う。

    解説
    誤り。
    取締役ではなく、職務執行者。(会社法464条第1項)
    いきなり、飛びましたね。464条です。

    業務執行者は株式会社に対し、連帯して超過額を支払う義務を負う。ただし、相当な注意を払ってたり、総株主の同意があれば、免除される。


    よって、イとオが誤り。
    う~ん・・・難しいですね。

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